イタリアの食後酒といえば、そうグラッパが一番手に来るでしょう。
私は、あまりハードリカーが得意でないので、グラッパを避けてきたところがあったのですが、いつの間にか当店にはものすごい数のグラッパが揃ってしまいました。
色々と飲み比べてみると、同じように思えていたグラッパにも、こんなに違いがあるんだとびっくりしたのはそれほど前のことではありません。
家にある、レーヴィのグラッパはいっこうに減りませんが、少しずつでしたら、食後の余韻を楽しむよきパートナーだと思います。
さてさて、グラッパの原料はブドウの搾りかすだということをご存知の方は多いはず。
「搾りかす」とは、ワインの醸造過程で液体から分離された固体の部分、ブドウの果皮や種のことです。
写真は、メルロのブドウの搾りかす、イタリア語で言うとヴィナッチャ Vinaccia です。
実際手にとって見ると、ほとんど水分は感じられず、これを蒸留してどれだけのアルコールが取れるのか、心配になるほどです。
イタリアで見たものもほぼ同じ状態でした。
グラッパはもともと労働者のエネルギー源でもありました。
無駄なものを極力なくすための、庶民の知恵から生まれたものかもしれません。
グラッパは原料が固形であるという、世界でもあまり例のない珍しい蒸留酒です。
食後の心地良い余韻をグラッパでしめてみてはいかがでしょう。
写真・文 ソムリエ 望月