野菜は美しい
トレヴィーゾの卸売市場に行きました。早朝だったのでとても寒かったのですが、でも所狭しと置かれている野菜の美しさに圧倒されました。これはカリフラワーの一種でロマネスコと呼ばれるもの。以前に出版した「イタリア野菜のABC」(小学館刊)でも紹介しているので、写真は持っているのですが、それでも何度でも写してみたくなるほど魅力的。イタリア料理の中での野菜の重要性はパスタに匹敵。なかでもある地方でのみ栽培されているものは、さりげなく郷土性を演出するのにぴったりです。
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トレヴィーゾの卸売市場に行きました。早朝だったのでとても寒かったのですが、でも所狭しと置かれている野菜の美しさに圧倒されました。これはカリフラワーの一種でロマネスコと呼ばれるもの。以前に出版した「イタリア野菜のABC」(小学館刊)でも紹介しているので、写真は持っているのですが、それでも何度でも写してみたくなるほど魅力的。イタリア料理の中での野菜の重要性はパスタに匹敵。なかでもある地方でのみ栽培されているものは、さりげなく郷土性を演出するのにぴったりです。

昨年の夏から準備をしていた本が出ました。タイトルは「いちばんやさしいイタリア料理」(成美堂出版刊)。料理はカシーナカナミッラの佐藤護シェフ、ワインは望月ソムリエ、そしてイタリア料理の説明を私が担当。いつもはそれこそオタクな、イタリア食文化についての説明をしていますが、この本は誰でもが分かるようにやさしく書いてあります。(多分!)
この本を作りながら思ったことが二つ。ひとつはイタリア料理というのは本当に幸せと結びついているということ。郷土料理を作り上げてきたマンマたちの思いを感じます。もうひとつは佐藤シェフや望月ソムリエの仕事を見て、プロは良いなあということ。目には見えなくとも仕事に対する真剣さは感動モノでした。
この本は1カ月もしないうちに再版がかかりました。それだけ多くの人が読んでくださっていると思うと、やはり嬉しいものです。
買ってくださった方、これから買ってくださる方、立ち読みをしてくださる方、ありがとうございます。
年末にイタリアで一番好きなリストランテが閉店しました。その名は「フリポー」トリノから1時間ほどのトッレ・ペーリチェという場所にあるリストランテでした。初めて行ったのは15年ほど前のこと。オーナーシェフのヴァルテル氏はその後、厨房を直したり、2階に小さなペンションを作ったり、少しずつ手を加えて素敵な店に作り上げ、とうとうミシュランの二つ星に。
フリポーは無名だった頃に行って「これぞイタリア料理の将来の姿」と確信した店でした。日本では、それまで郷土料理系の店は別として、リストランテと言えばフランス料理との違いがあまり分からかった時代。そこで見たフリポーの料理は「郷土の味を高度なテクニックでリストランテのレベルにした物」だったのです。確かにイタリアの根っこを持った洗練された料理。
今回行ってみて、フリポーとカシーナ カナミッラの共通点に気が付きました。緑が多いこと。暖炉の上に鏡が飾ってあること。記憶の底にあったフリポーが、カナミッラのイメージの下敷きだったかもしれません。
フリポー、ずっと憶えておきます。