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2011年06月 アーカイブ

2011年06月02日

イタリア郷土料理集賛歌

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大変にご無沙汰してしまいました。その間、イタリアに行くこともなく事務所とリストランテ カシーナ カナミッラの往復をして過ごしていました。

さて、4月のお花見あけから、平日の夜だけカナミッラにでて、お客様に直接お会いすることにしました。そのおかげで、十何年前の講習会に来てくださった方や本を持っていてくださる方など、ご挨拶からおしゃべりに発展して、面白い出会いが始まっています。考えてみると、私の道楽は気の置けないお友達を自宅の食卓にお誘いして、一緒にお食事をすることなので(講習会の常連さんたちとお付き合いが始まって、いまでは定期的の食卓を囲む仲になったメンバーもいます)、リストランテもその流れの中にあるのかもしれません。食を通して人とつながるって、本当に素敵なことですから。

ところで、先日カナミッラで「イタリア郷土料理集賛歌」を開催しました。

「イタリア郷土料理集」はこの写真の本で、1967年にアンナ ゴゼッティ デッラ サルダ女史が、イタリア料理を州別にまとめ上げたレシピ集です。

文句なしに、イタリア料理書の最高峰。

その本から、各州のレシピを私が翻訳してシェフたちが再創造する食事会を続けています。

先日の会は、南イタリア、プーリア州。もちろんスタッフ全員がプーリアに行ったことがあるわけではありませんから、最初に行うのは、スタッフたちへのレクチャーです。

最初のレクチャー

Pomodori%20Essiccati.jpg スタッフ向けのレクチャーは、まかない時に行います。リストランテでは営業時間外でもかなりいろいろな仕事があるので、全員が同じ食卓につける時間は貴重なのです。

見せたのは、プーリアの野菜加工会社から頂いたDVD。その会社が紹介されたテレビ番組です。

プーリアでは野菜の加工が盛んで、収穫期になるとマンマたちは1年分を作ります。その会社は、機械で作っているけれど、基本は伝統的製法を尊重している・・のです。番組の中で、圧巻はトマトの乾燥シーン。高さ1メートルほどの高さに張った網に、サンマルツァーノタイプのトマトを半分に切って並べ、適量の塩をして太陽乾燥させます。しかしこの規模。すごいでしょう。海に近いので風がいつも吹いていて、しかも地面には白い石を置いて陽光を反射させるという、先人の知恵がたっぷり。

やはり聞くだけと、映像で見るのは違います。

そして、ソムリエの藤川さんのニュースが。

「プーリア産のスプマンテを見つけたんですよ。イタリアでもほとんど知られていないようですよ。これをスタートに使いましょう!」

この写真はプーマという、上質な野菜の加工品を作る会社の提供です。

二度目のレクチャー

12.jpg 翌日も、まかない時にレクチャーです。今度はプーリアの食文化について。イタリアに留学していた娘のかな海帰国前10日間に、プーリアの取材を頼んだので、その写真を使いました。

レクチャーはまずプーリアの地形から。イタリア第二の平野があるプーリア州は、オリーヴ油とワインの生産量が抜群。またサラダ菜やアーティチョーク、フェンネルなどはイタリア一の生産量です。農業王国なのです。

この時にプーリアから持ってきた野菜類の油漬けを試食。特に乾燥トマトの味の深みと言ったら、すごい!!!

その後のシェフの報告です。「プーリア料理は野菜がポイントですから、前菜は8種類すべて野菜料理にします。」

ということで以下がその内容。前についている番号は、イタリア郷土料理集の中の通し番号です。

 

 ソラマメとカルチョーフィのミネストラ

1373 Minestra di fave e carciofi

 お米と貝のティエッラ

1699 Tiella di riso e cozze

 ペペローニのインヴォルティーニ

1736 Involtini di peperoni

 みなしごのズッキーニ

 1731 Zucchine alla poverlla

ナスのパルミジャーナ

1744 Parmigiana alla melanzane

ジャガイモ、タマネギ、トマトのオーブン焼き

1746 Patate,cipolle e pomodori in forno

チャレッダ

 1727 Cialedda

 カルドンチェッリ ア ラガナーティ

 1725 Cardoncelli a raganati

ブッラータ

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パスタフィラータ(モッツァレッラタイプの生地を使ったチーズ)の生地を袋状にして、中に生地の刻んだものと生クリームを入れて口を閉じたもので、その食感と生クリームのコンビが最高!」と、レクチャーで話したら、数日後に藤川ソムリエが「日本に輸入されているのを見つけました。ブッラータをまず第一に出しましょう」との報告。

ちなみに今回の食事会のプロデューサーは藤川さんなのです。楽しい会にしてくれそうです。

2011年06月03日

このパン

IMGP2286.jpg これがプーリアで名高いアルタムーラのパンです。

硬質小麦を使ったモチモチの超個性派。

シェフたちも挑戦したようですが、酵母の違いや釜の違い、そしてブナの木で焼くという要素が不可欠なので、ちょっと無理だったよう。シェフたちのイタリア料理に対する挑戦心と理解は大したものなのですが、現地に行かなければ味わえないものもとっておきましょうよ。

2011年06月07日

テラスレストラン

DSCN2905.JPG 週末はプーリアから離れて、我が家のテラスで小休止。

アパートの最上階なのですが、谷の斜面に建っているので目の前に遮るものはなく、わずかに竹林の竹がそよぐだけ。谷の向こう側にも緑がいっぱいで、本当に良い季節です。今はジャスミンの花が満開で、テラスに出るだけで、香りに包まれます。

とても渋谷から20分の所とは思えません。

さあ、自慢のイアリア料理を用意して、お客様をお待ちしましょう。

2011年06月09日

古代の甘味料

%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88.jpg 2000年以上前の甘味料がプーリアには残っています。その名もヴィンコット=煮たワインです。実際にはワインの材料になるブドウ果汁を煮つめたもので、甘酸っぱい味がします。

実はそれをこの日のためにプーリアから持ってきているのです。

ミーティングでは、「お客様の前でかけようよ」と意見が一致。何時間もかけて作られ、はるばる南イタリアからやってた食材への敬意です。

もちろんその前に、全員味見。もう一種類のイチジクで作ったヴィンコットと比べてみます。こちらは酸味がないので、印象が薄いかな~。

シェフに「どの料理と合わせますか」と質問すると「肉かドルチェですね」

結局、デザートのお皿が運ばれた時にホールスタッフがお皿にかけました。

いかがでしたか、古代の甘味料の味は?

2011年06月13日

ティエッラ

pla-02.jpg 事前に打ち合わせをして、いよいよ本番。

幸運なことに毎回料理写真家の山家学先生が写真を撮ってくださいます。プロとは言え、写真に透明感があってやはり美しい!

当日の料理写真を少しご紹介しましょう。これは「ティエッラ」、南イタリアに残る数少ない米料理のうちの一つです。原型は「パエーリャ」で、スペイン人が侵略に来た時に残していった料理がプーリア化したものだとか。

しかしムール貝をきれいに飾りつけたこと。私が作るとよく焦がしちゃうんですけれど。

料理講習会

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岩坪シェフが、教えているのが「オレッキエッテ」です。プーリアを代表するパスタで、耳の形に似ているからオレッキエッテ(ちいさな耳)という名前になったそうな。

今回はお客様にも作っていただこうと、厨房スタッフが指南役として頑張りました。恥かしがり屋の那須君や矢野君はきちんとできたのでしょうか。初々しかったという話もあったようですが。

これがオレッキエッテ

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きれいな色でしょう。食べるとモチモチ感がたまりません。

2011年06月14日

迫力のお肉

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「イタリア郷土料理集賛歌」プーリア州の会のメインは子羊のグリルです。

いつもはリストランテらしい盛りつけですが、この日は郷土料理らしくドカンと行きました。客席に持っていくと予想通りの反応で、シェフたちはニンマリ。とってもジューシーなお肉でした。

2011年06月15日

ドルチェの数々

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今回のドルチェは「サン・ジュゼッペのゼッポレ」と「使途の指」そして添えてあるジェラートはピスタチオです。

サン・ジュゼッペはキリストの父ヨゼフのイタリア名。プーリアでは父の日にこのドルチェを食べる習慣があったようです。昔のイタリアではかなり洗練されたお菓子ですので、それを食べた旅人が驚いたそうです。

もうひとつの「使途の指」、泡立てた卵白で焼いた物で、リコッタチーズの詰め物を巻いて作ります。キリスト教の成人の指を模したお菓子です。宗教心の厚い、南らしいお菓子の数々です。

2011年06月20日

アンナ ゴゼッティ デッラ サルダ女史のこと

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イタリアに行った料理人ならば必ず持っている本「イタリア郷土料理集」

この本を友人のイタリア人シェフから頂いたのは、1987年のこと。

また、イタリア食ジャーナリストのパイオニア、リッカルド ディ コラート氏にインタビューした折、イタリア食文化史の中から4冊の本を選んでいただいた時に、現在の最高峰として挙げていただいたのもこの本でした。

 

「イタリア郷土料理集」はイタリアの郷土料理が州別にまとめられていて、ただのレシピ集ではなく、庶民の食文化がそのまま記されているものです。

それまでは、日常の取るに足らない料理として見向きもされなかったものが、この本によって食文化となった記念すべき本でもあります。

 

無謀にも著者と会いたいと思い始め、イタリアICTのダニエラ・パトリアルカに会えるように画策してもらったのです。

そして数年のち、ミラノのお宅に受け入れていただくことになりました。

 

その日、約束の時間よりかなり早めにミラノに出かけ、花屋を探しました。

地下鉄の出口のすぐ前にあったのですが、とても彼女に捧げるレベルのものではないと、さらに歩き続け、ようやく見つけた店に入りました。

今まで買ったことのないほど見事なバラの花。

「紅白にしたいので、赤を10本、白を10本入れてください」とたのむと、花屋の主人は「イタリアでは奇数にするんだよ。19本にしますか、それとも21本にしますか」

迷わず「21本」と言うと、「じゃ1本はおまけに」と。

 

このかなり重い花束を抱えて、歩くこと約30分以上。道に迷いながらようやく到達すると、守衛さんが「待っていましたよ」とその場所に案内をしてくれました。

そして、秘書のパオラさんに通されて、アンナさんの書斎に。

 

「この花束は、あなたの本によって恩恵を受けた日本のすべてのコックからの感謝の気持ちです。」と万感の思いを込めて渡すと、驚いたように受け取り、机の端にある椅子へと案内してくれました。

 

それからはイタリア料理のことを時を忘れて話し合い、夢のようなひと時を過ごしたのです。

 

80半ばのご高齢なので、あまり長い時間はお邪魔できませんでしたが、その時にいただいた「イタリア郷土料理集」に書いてくださった献辞には

 

「ミラノ 2003530

長本和子氏の人格と、

私たちの料理に注ぐ情熱を称賛して

アンナ ゴゼッティ デッラ サルダ」とありました。

 

私の最高の宝物で、カナミッラのエントラスのミニ博物館に飾ってあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年06月22日

いざ、サルデーニャへ出発!!!

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8月の29日のイタリア郷土料理集 羊飼いの島サルデーニャ編の準備が始まりました。もちろんその前に、チラシなどを作ってホームページにアップしたのですが。

 

スタートはスタッフへのレクチャー。まず、サルデーニャとはどのような所かを話し、以前サルデーニャに住んでいた時の経験や取材写真の数々を見せます。

パワーポイントの枚数は105枚。原始的なチーズの作り方や、独特なパンパーネ・カラザウの作り方などなど。かなり珍しい写真がならんでいます。

 

そして、この次の作業は、シェフたちがテーマを決める番です。

 

写真は、ジェノヴァーオルビア間の船の煙突(排気口)。

 

 さあ、サルデーニャの食の旅の始まりです。

2011年06月23日

ピチカート

IMG_1338.jpg この小さな前菜がたくさん盛られているメニュー名は「ピチカート」。

ご存じのようにバイオリンを弓ではなく手でつまみようにして弾く技法のことですが、その音色のように次々と小さな前菜が出てくるということで、この名前を付けました。

このところ平日の夜はカシーナカナミッラに出ているので、ピチカートを持っていった時のお客さまの顔を見ることができます。それもひそかな楽しみでもあります。

 

しかし、各テーブルにご挨拶に伺うと、思わぬところでご縁があったことが分かり、お客様とおしゃべりが始まることがかなりあります。

「10年ほど前の講習会に参加したんですよ」

「白金台時代から来ています」

「専門料理にシェフたちの料理が載っているのを見て」

「今度イタリアに行くので」

「イタリア料理の話を聞かせてください」

「知り合いから薦められて」等など。

もともと食卓を囲んで、おしゃべりをするのが大好きでしたが、リストランテでもそんなことができるなんて、楽しい発見でした。

 

もちろん、お二人で過ごしたい時は、お邪魔虫にはなりませんよ。

2011年06月27日

女子美で教えています

IMG_1363.jpg 先週から女子美で教え始めました。ファッションテキスタイル科を中心に120名ほどの生徒さん達に、イタリア食文化を語っています。

科目名は「伝統・先端」

私の領域は伝統になるのですが、語りながら、イタリアの先端は伝統が裏打ちされていることを確信。

以前ペルージャの博物館で、ジュエリーデザイナーがじっと紀元前のエトルリア人のアクセサリーに見入っているのを見たことがあります。現在の自分のデザインの参考にするとのこと。

料理も同じく、先端を行くシェフであればあるほど古典に目を向けているようです。食文化とテキスタイルは一見関係ないようですが、伝統を知ってこそ、先端を創造できるということを彼女たちに植えつけられるといいなあ。

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