フリウリ料理シリーズ フリーコ
フリウリと云えばフリーコ。ジャガイモとチーズを混ぜて焼いたものです。
フリウリは山の中なので、そこで採れる食材で料理が作られます。
つまり寒冷地でも育ち、保存のきくジャガイモと、基本的な仕事である酪農から生まれるチーズです。
これが平野のトリエステに行くと、見られなくなるももっともなことでしょう。
寒い山の中で食べるフリーコは、芯から温まります。
« 2011年10月 | メイン | 2011年12月 »
フリウリと云えばフリーコ。ジャガイモとチーズを混ぜて焼いたものです。
フリウリは山の中なので、そこで採れる食材で料理が作られます。
つまり寒冷地でも育ち、保存のきくジャガイモと、基本的な仕事である酪農から生まれるチーズです。
これが平野のトリエステに行くと、見られなくなるももっともなことでしょう。
寒い山の中で食べるフリーコは、芯から温まります。
分厚い生地に甘味の付いた具が入っていて、バターとリコッタサラータで味付けしたキャルソーンズです。
フリウリでは小麦が採れないので、ここではジャガイモを練りこんで量を増やしています。そのため生地は厚手のモチモチ。
エミリア・ロマーニャあたりの薄くて繊細なラヴィオリと対極をなすと言って良いものです。
どちらがおいしいかって?
外は木枯らし、うちでフォゴラール(フリウリの囲炉裏)を囲んでいれば、やはりドッシリとしたキャルソーンズが良いし、温暖な気候の中で麦畑からくる風を浴びながらだったら、繊細なラヴィオリに軍配が上がります。
料理って、その環境にいる人が、自分に好ましいように作っていますから、生まれた土地で食べるのが最高です。
そのため、違う環境で(リストランテ)で提供する料理人には、大きな宿題が与えられます。
鍛冶屋さんに行って、注文しておいたロウソクスタンドとナプキンリングをもらってきました。
一つ一つ叩いて作り上げた、世界でたった一つの品物。
料理もそうですが、人の手で丁寧に作られたものは、それだけで価値があるように思います。
12月にはカナミッラのテーブルに置かれます。
寒い地方では、体が脂を欲します。
フリウリではダイエットなどと甘い事を言っていては、生きていけないのです。
そこでよく食べられているのが豚の皮を練りこんだサルーミ「ムゼット」です。
でもフリウリ人だって、コテコテの脂はちょっとつらい。そこで合わせるのがブロヴァーダと云って、カブをブドウの搾りかすにつけて酸っぱくし、刻んだもの。
これは、日本で簡単に作るわけにいきません。
でもフリウリ料理にはなくてはならないものなので、2月のイタリア郷土料理集賛歌フリウリ編のために、缶詰を8個も購入しました。
どうやって持って帰ろうかしら。
フリウリの小都市チヴィダーレのリストランテの一こま。
私たちの大テーブルの横にあった、丸テーブルのセッティングです。
なんとも温かい感じがしたのは、そこから家庭のような温もりが感じられたからでしょうか。
カナミッラの丸テーブルも、温かくくつろげる場所にしようにと、手作りのランチョンマットとナプキンリングを持って帰ります。
ある晴れた日曜日、ドモドッラ周辺の丘を歩くのが趣味なので、いつも行く3時間コースへと向かいました。
ふと見上げるとの、いつもとは違う方向の丘の上に、小さな村と教会の塔。
私のもう一つの趣味は、目的を持ったらひたすらその方向に向かって、迷ってもそれも楽しみながら歩くこと。
これはその途中にあったリストランテです。
まあなんと可愛い作りでしょうか。オーナーの人柄まで出ているようです。
そして、なおも歩け、歩け・・・・・
山の道は曲がりくねっていて、いつの間にか目的の教会の塔が遠くなりました。それも良しと歩いていたら、道端に鮮やかな色をした花が咲いていました。
日本にもありますが、朝の山の空気の中で見ると、本当に鮮やかです。
さらに前進、前進・・・・
歩き続けること1時間半、ようやく目的地にたどり着きました。
目標にしていた教会の入り口では、アルピニストの帽子をかぶった一団が儀式をしている最中。
リーダーらしき人の挨拶と、それを取り巻く家族の人々。中には歩くのもおぼつかない、お年寄りもいます。
「これは、何の集まりですか」
「戦争で死んだ、アルピニストたちを毎年この日に忍んでいるんだよ」
日曜の朝の一こま、きっといつまでも思い出すんだろうなあ。
教会を離れて、古い建物のある地域に迷い込むことにしました。
ありました、ありました。これは、共同の水道です。
歴史の古い村では、その昔泉から水を引いて共同の水場を作っていました。
水道の下にたまった水は、家畜のもの、その後ろの建物の中にあるのが洗濯場です。
今では当然、各家に水道がありますから、洗濯場の水は枯れていました。
しかし、泉の水は飲料として汲みに来るのでしょう。
甘い味の柔らかい水でした。
幾度雨が降っても、線の消えない横断歩道です。街のほとんどの道が石畳なので、そこだけ無粋なペンキで塗ることが出来なかったのでしょう。
ショウウィンドウの洋服には「ぎゃ~~~!」ということが多いけれど、建物や街並みは、なかなかです。
今年もつれてきました。この店の料理を研修生に食べさせるために。
料理の名前は「クッケーラ」。
石鍋に豚のいろいろな部位とサルスィッチャ、ジャガイモ、キャベツ、洋ナシ等を大胆に入れて、オーブンで3~4時間かけて煮込んだもの。
全体重量は10キロ以上、とても一人では持ってこられないので、神輿のように二人がかりで運んできます。
「おお~」感嘆の声が上がります。
取り分けをしているときにもう一度「おお~」の声。
なんと子豚の頭がそのまま入っていたのです。
そこは皆プロの料理人、興味津々で、分け合って食べました。
肉や皮だけではなく、脳みそまで。
前の写真をご覧になった方。
子豚の頭が入っていたと書いたら、やっぱり見たいですよね。
本邦初公開です。
前回の仔豚の料理が衝撃的だったらしく、何人かの方からご連絡をいただきました。
その料理を出す店は、ここ”Da Sciolla ダ・ショッラ”
ドモドッソラの中では一番のお気に入りの店です。
料理はきれいに盛りつけててあっても、その根底にこの土地ならではの力強さが流れています。
以前デザートに「野生のリンゴのコンポート」が出たことがあり、聞けばそのりんごは山で摘んできたものだとか。生で食べれば、固くて渋くて、とてもお勧めできるものではありません。ところが、甘く煮てみるとその欠点が深みになって、都会ではお目にかかれない逸品になっていたのです。
こんなところに価値を置いているのが素敵です。
端から端まで歩いても、大して時間がかからないのがドモドッソラ。
迷って帰れなくなる心配がないので、知らない道を選んで通ることにしています。
さるお家の駐車場の門に、こんな街角アートがありました。
一対になっているのですが、線に勢いがあって、素人さんのものとは思えない。
考えてみるとこの地方では、窓辺に花が飾ってあったり、刺繍をしたカーテンがつるされていたり、道を通る人への語りかけがあるような気がします。
これは一筋の明かりも漏れてこない、都会の家とは好対照です。
この郵便受けが好きで、以前カシーナカナミッラが白金台にあった時に、イタリアから買ってきて取り付けたことがありました。
しっかりと閉まらないので、雨の時は少々不安。特別に使い勝手が良いというわけではありませんが、それ以上に何とも風情があるじゃありませんか。
これだけ並んでいると、なんだかケタケタと笑っているような気がしませんか。
郊外を歩いていると、道端で食に関するものをよく見かけます。
ベリー類や野生のサクランボウ、そして先日の散歩で見つけた、このホップ。
1か月ほど前に行ったフリウリはドイツ文化圏内なので、ビールを作っている所がかなりありました。そこで使われているのは、もう加工してあってサラサラの乾燥ホップ。
ドモドッソラ近辺では、ビールを作っていないので、ホップは自由に木に巻きついているだけです。
ドモドッソラの旧市街に行くと、伝統を重んじる街らしく、石畳に轍の跡。
今更馬車が通るわけではありませんが、代わりにハトが歩いていました。
道路のこんなデザインも素敵です。
ヴェネト州、ソアーヴェ地域にコルテモスキーナという醸造所があります。
カシーナ カナミッラの藤川ソムリエが大好きなメーカーで、「とってもピュアーなワインを作る」そうです。
その経営者一族のパトリツィアさんが、輸入元とカナミッラで食事をしたことから、話が始まりました。つまりコルテモスキーナのワインとヴェネト料理のお食事会をしようと。
一緒に仕事をするからには、相手のことを知らなくてはなりません。そこで行ってみることにしました。
醸造所の入り口には、この素朴な看板が。
周りはすべて手入れの行きとどいたブドウ畑です。
パトリツィアさんに連れられて、ブドウ畑を歩いていた時のこと。
目の前にこんなキノコが生えていました。目を移せばあちこちにあります。
そりゃ、すぐにでも摘んでみたいのですが・・・食べられないのだそうです。
以前キノコに詳しい人に摘んだキノコを持って行って診てもらったことがあります。その時には「これは100度で○○分間煮ると食べられる。これは食べられるけれど、苦い。これは食べられるけれど、美味しくない」と何とも細かく教えてくれましたっけ。
こんな素敵なブドウ畑で、キノコの収穫もできたら素敵なのに、そこまで思うのは贅沢でした。
食事会でぜひとも紹介したかったのが、陰乾しブドウで作った「レチョート・ディ・ソアーヴェ」。
陰乾しは、かの有名な「レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ」がありますが、以前大きなメーカーに行った時に、空調の整った室で乾しているのを見たことがあります。
ところがこちらは、籠に入れて納屋の上の方に置いてあるだけ。別に扉もありませんから、風の流れの中で凝縮して糖度が上がっていくわけです。
この写真のブドウは、摘んでから2カ月乾した物、あと3カ月乾してから作り出すそうです。
ソアーヴェの空気も、レチョートの大切な原料だそうです。